2012年01月19日
最近のねむり薬。

中学、高校と布団の中の暗がりで本ばかり読んでいたから目が悪くなったのかも知れない。裸眼だとコンマ03ぐらいの視力しかないから、眼鏡を置いた場所さえ見逃すような始末。しかし、そんな裸眼で覗くぼやけた景色も嫌いではないから、酔ったついでにぼうっとしたこの世の中を傍観したりもする。
ここ数年は、気を失うように眠り込んでしまうことが多かったから、本など無くても眠りにつけたのだけれど、最近また本を持って布団にもぐり込む様になった。それで、このところはこの「本の雑誌・傑作選」が、ねむり薬の役目を果たしている。かれこれ、たいぶ長い間本格的な本づくりをしていないぼくが、この機にまた再び、というか、以前とは違うあたらしい試みによって本をつくろうとしているから、そういう機にこの本が手元にあるというのは、幸運だと思う。
「本が売れないのは、インターネットのせいだという俗説があるが、これこそ逃げ口上であって、こういうアホなことを口走る編集者が、本の魅力を消しているのだ」
そんなことを、今頃なら言うのではないかと思いながら読み進めた「編集者評論のすすめ/小林信彦」。逃げ口上のために、なにかの物言いをする、もっともらしく書いたりもする、その自己の心境にまでなかなか考えが及ばないのだろうが、その、考えの及ばなさにこそ、さまざまな不都合な事態(誤魔化した表現)は、繰り広げられそして繰り返される、という現実。
つまらんことはやめろ、それで、やめることもやめる。つまり、つまらなくないことをやれ、ということなんですよね。それができるかどうかという、そんな瀬戸際かも、ぼくの現在。
Posted by sousuke at 15:37│Comments(0)
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