さんぽ道

　いろいろ見て感じることはあったはずなのだけれど、それを切りとる気になれなくて、つまりシャッターボタンを押してその１シーンを記録するということを随分していないものだから、ブログの方も随分と長い間書いたりせずにいた。
　そういえば、あの人には「書いた方がいいですよ、というか書くべきですって」としっかり後押ししてもらったような、そんなことがあったような覚えがあるのに、そういう後押しがあると踏み止まってしまいやすいのは、ただただ天邪鬼というわけではないはずなんだけどな。
　先ごろ、よくいく古い土蔵のカフェｍａｚｅｋｏｚｅで見つけて手にとった本、それが遺作となったという作品が僕に伝えてきたことは、「そう考えるんであれば、そのように行ってみると良いよ」ということだったんじゃないかな。けれど、そういうことがたくさん有り過ぎて、それでそのたくさんの中で何もできないでいる、そういうように思えるこれまでの僕。そういう性質は、たぶん生まれて間のない頃から変わらない僕の性質だと思う。

　この辺りに生息する蜜蜂には、日本蜜蜂と西洋蜜蜂とがあって、日本蜜蜂の方は小柄で性質も穏やか、というか穏やかというのとは違う気もするけれど、そういう感じだと聞いた。それで、この時期に分蜂という大掛かりな引越しをするらしく、上手に巣箱に招き入れることができれば蜜蜂を飼うことができたりもするらしい。そんなことをあの人から聞いた。

　で、分蜂について聞かせてくれたあの人と、このブログを書き続けるよう後押ししてくれたあの人はまったく別の人。それって、この今書いている僕ぐらいにしか判らないことなんだよな。そして僕は、どうしてこのような書き方をするのか。それもこの僕にしか判らないよ、きっと。